手と手

どこにいても君の手があった
床に入り暗がりでも
布団の中で手を求め
まさぐりあい
街を歩いても自然と手を繋いで
この世の二つの手と手を探り合い
見つけては結ぶ


君の手
いつしか指関節にタコがある
それは君の自虐の癖の
精神が痛めつける肉の一部
そこに追い詰められた人の
かりかりと音のするかなしい習性を見た
ぼくはやわらかく包んでやる


ぼくの手は大きいと
君はぼくに男の野性を見る
手と手はぼくらの通信
USBでデバイス
通電するように判り合えるもの


しみじみ手をとっては眺めて
君の半世紀の苦労を偲ぶ
ピアノソナタを弾いて
花を活けテニスラケットを振った手
親から離れ夫から離れ
一人になった手
それを一人のぼくが握りしめて
離さない