銀座の鴉

地下鉄駅から数寄屋橋に出る
銀座の朝の間延びした靄がかった裏通り
ゴミが積まれた集積場に群がる鴉ども
上等の餌をついばんで散らかし
得意げに啼く
俺様は銀座の鴉だと威張っては
エンブレムを探したか
ドンペリを呑んだか
酔客のゲロが撒き散らされ
シャッターにかけられた小便
臭い漂う銀座の香水は
夜間飛行だろうか
くだらない見栄と体裁
たった数時間の快楽に大枚払い
鴉たちは嗤う
懐かしい銀座
昔の風情もいまはなく
ビルも街も腐ってゆく
追い立てられた鴉どもは
流行を追う女たちのように
人真似がうまい
着飾ったって所詮鴉よ
黒い羽根はごまかせない
泣きはらした朝の飲食店街の
裏通りには捨てられた男と女の
残滓が転がって風に吹かれている